身辺雑記

子連れアメリカ生活4年目(一女一男)。日本語の衰えが激しい。思いつくままに書き綴る身辺雑記。

映画【Love actually】感想

イギリスのクリスマス映画。2003年公開。

概要

クリスマスを前にしての様々な「愛の形」を描く。中年夫婦、若くして首相となった男とそのオフィスで働く女性、妻を亡くした男と亡くなった妻の連れ子の男の子、等々。グランドホテル形式と言うらしいが、そのような複数の主人公たちの物語が代わる代わる入れ替わる形で、最終的には(わずかに)関係しつつ描かれる。特別映画好きでもない私のような人間が見ていると、登場人物が多くて誰が誰だか分からなくなる(一旦分かるようになるとふむふむと筋は終えるようになるが)。ただ、2時間ちょっとの映画で9組もの人間関係を描写しようとするとどうしても展開は急になってしまう。「あらあらもう恋に落ちちゃうの」などと夫婦で突っ込みつつ見た。王道のラブストーリーを交えつつハッピーエンドだけでなく、様々な悲哀を含むのが味わい深い。ただ、突如女性の裸のシーンや性描写の撮影シーンが入るので、家族で見るのにはどうにも向かない。承知の上で見る分には特にいやらしいものではないのだが。首相のダンスとかMr.Beanのギフトラッピングとか分かりやすい笑いどころも多い。

愛は言葉を越える?

越えます。笑 言葉なんてのは飾りなんですよ、実際。とまでは言わないが。英語しか話せないJamieとポルトガル語しか話せないAureliaがお互い惹かれ合ううちになぜかコミュニケーションがとれているシーンが面白かった。単語単語をつなぎ合わせてなんとかメッセージを伝え合う。あるある、あるんだよ、実際。お互い分かり合おうっていう気持ちがあると、それなりになんとかなるもんなんだよね。母語や所属は属性の一つに過ぎない。これまでのアメリカ生活の中で、気の合わない日本人よりも気の合うアルゼンチン人に何度助けられたことか。ただ、もちろん気持ちがあった上で言葉を使えたらその方がよりよいわけで。映画では一度離れた二人が「お互いに」一生懸命相手の言葉を勉強していてほほえましかった。最後にJamieがポルトガル語で問いかけたのに対してAureliaが英語で答えてたのは心に残るシーン。

我が家で不評なエピソード

我が家で不評だったのは、「俺はアメリカに行けばモテモテだぜ!」と言ってアメリカに渡り、バーに直行し本当にモテモテになったColinのシーン。「こんなの美人局だよー」って言ってたら特になんの落ちもなくそのままで。時間の制約もあるから掘り下げられるエピソードとそうじゃないのがあるのだろうけど。もうちょっとひねってもよかったかなーと。監督はこのエピソードあんまり好きじゃなかったんじゃないかな。笑

また、親友の恋人に恋するMarkの告白シーンは我が家ではブーイングで、告白する方もする方だし、中途半端にキスだけし返しちゃう女性もそれはそれでいただけないなあと。好きになっても墓まで持ってけ!それは自分のための告白であって、結婚したての女性へ愛ではないよねぇ、というのが我が家の感想。

 

愛の形

いろいろな愛の形を描写しつつ、単に「愛っていいよね」と無制限に肯定するわけではなく、悲哀や選択、忍耐を含めて描いているところにこの映画の良い面があったように思う。実のところ我々は気がつかない愛に囲まれそして支えられて生きている。

"Love actually is all around."

 

ちなみに、今年2017年に"red nose day actually"という題で(チャリティーの日のために)それぞれの13年後を描いた続編の短編が公開されました。興味ある方はぜひチェックを!


LOVE ACTUALLY 2 Official Trailer (2017) Red Nose Day Actually, TV Short HD