身辺雑記

子連れアメリカ生活4年目(一女一男)。日本語の衰えが激しい。思いつくままに書き綴る身辺雑記。

映画『眠れる森の美女』と聖書のモチーフ【映画感想】

眠れる森の美女

ディズニーの映画。1959年制作。ヨーロッパの童話をもとに。生前のウォルト・ディズニーが関わった最後の作品。

眠れる森の美女|ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー

 

うちの子がプリンセスが大好きなので、図書館で見つけてかりてきました。主人公のオーロラがピンクのドレスを着ているから好きだとか。映画自体は見るのは初めてでした。見ていて聖書からのモチーフがいくつか出てきたので少し書いてみることにします。

  1. 三人の妖精からの贈り物
  2. 真実の剣と美徳の盾
  3. 邪悪な魔女マレフィシェントのドラゴン

最初は3人の妖精からの贈り物。生まれたばかりのお姫様オーロラに3人の妖精たちがそれぞれ贈り物をするシーン。これはマタイの福音書の東方からの三人の『博士たち』が贈り物を持ってやってきたシーンを彷彿とさせます。もちろん生まれたのは女の子ですし、贈り物をしているのもフェアリーなので少しずれますが。この贈り物が彼女の命運を強く方向づけます。

続いて、邪悪な魔女に捉えられた王子・フィリップが城を抜け出し、眠ってしまっているオーロラを助けに向かうときに妖精たちが与えた『真実の剣』と『美徳の盾』。これはエペソ書の6章10節からの記述を下敷きにしていると思われます。

Eph. 6:10   終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。

Eph. 6:11 悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。

Eph. 6:12 私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。

Eph. 6:13 ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい。

Eph. 6:14 では、しっかりと立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、

Eph. 6:15 足には平和の福音の備えをはきなさい。

Eph. 6:16 これらすべてのものの上に、信仰の大盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢を、みな消すことができます。

Eph. 6:17 救いのかぶとをかぶり、また御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさい。

(新改訳第三版より)

悪魔との戦い、身につけるものの名称のパターンなどに相似関係が見られます。

 

さて、最後にドラゴン。これはヨハネの黙示録に出て来るイメージで、ドラゴン(

δράκων)というのがラスボス的に出てきます。悪魔はドラゴン、古い蛇として最後まで抵抗するが勝利することはない、というのが聖書からのイメージです。映画の中でも、もうちょっとでフィリップ王子がお城につく、というところでマレフィシェントは竜に変身して王子の行く手を防ぎます。最後はもちろん王子が勝つのですが。

 

さすがに59年に発表されたものだけあって、古典的なイメージが多く使われているな、という印象です。そして歌もオペラ調そのままで、今とは違うなあと。

それでも、短い時間でかなり魅せる映画で、一応結末は知っていましたが、ドキドキしながら最後まで見ました。色あせないなあと。まあどっちかって言うと、主人公は妖精たちなんじゃないかっていうくらい彼女たちが出ずっぱりな上、オーロラのドレスはピンクになったりブルーになったりでキャラクターのカラーとしては弱い感じでしたが。 改めて見るクラッシック作品というのもいいものです!